実名顔出しでの当事者活動の危険性とは?
今回は「当事者活動」に特化し、支援者や最先端の研究者がなぜ「実名顔出し当事者活動」に賛同しないのかについて解説します。
和田一郎
2024.06.05
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小児期における被虐待や貧困といった困難な経験は逆境的小児期体験(Adverse Childhood Experiences : ACEs)と呼ばれ、成人期以降の心身の健康に影響を及ぼすとの研究結果が報告されています。児童養護施設や里親家庭に暮らすACEsを経験した多くのこどもたちは18歳で措置解除されますが、青年期の発達途上にあるこの時期は、ACEsからの回復途上にあることが推測されます。一方、メディアやSNS等に露出する当事者活動を発端として、措置解除後に当事者活動に参加する若者達が増えています。かつて、このトレンドに警鐘を鳴らすべく“「被害者支援」を軽々しく口にする人たちの特徴”と題した記事(#1)を公開したところ、予想以上の反響がありました。
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このあとは
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- なぜ実名顔出しはだめなのか?
- あなたの経験談は何を残すのか? -最先端の研究者は賛同できない-
- 支援者は最後まで責任をとれるのか?
- ソーシャルアクションとして
- 【参考資料】
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